米国が最近イスラエルとともにイランに軍事攻撃を実施し、中東情勢が再び不安定化している。世界的なエネルギー輸送の要衝であるホルムズ海峡への影響が懸念され、日本国内でも不安が広がっている。「光明日報」が伝えた。
第一生命経済研究所の熊野英生・首席エコノミストは、昨年6月の米軍によるイラン空爆では国際原油価格が約2割上昇したと指摘し、今回の衝突では原油価格が約35%上昇する可能性があるとみている。これにより、日本のガソリン価格や電気料金といった国民生活に直結する日常支出にも影響が及ぶという。共同通信によると、日本政府は物価や生活費の抑制を目的として昨年末にガソリン税の暫定税率を廃止したが、中東情勢の悪化が再び日本のガソリン価格および物価指数全体に影を落としている。
東京株式市場では3月1日以降、複数の営業日で続けて株価が急落し、多くの銘柄が売られている。直近の上昇をけん引してきた人工知能(AI)や半導体関連銘柄の下落が目立つ。共同通信は、原油価格の大幅上昇に対する市場の懸念が強まり、エネルギー価格や物価の上昇による景気減速への不安が投資家心理を冷やしていると分析。証券会社関係者の間では、「原油価格がどこまで上昇するのか予測できず、企業の業績悪化への懸念も拭えない」との声が出ている。
野村総合研究所の木内登英エコノミストは、米国とイスラエルによるイランへの軍事行動が短期的に沈静化する可能性は低く、原油輸送への悪影響もさらに強まると予測する。この場合、原油価格は1バレル87ドルまで上昇し、日本の実質国内総生産(GDP)は0.18%押し下げられ、物価は0.31%上昇すると見込まれる。ホルムズ海峡が長期にわたり全面封鎖され、世界の原油価格が2008年の金融危機前の過去最高水準まで急騰すれば、日本では物価高と経済悪化が同時に進行し景気後退に陥る可能性が高まると指摘。いずれのシナリオにおいても、物価上昇への対策の必要性が改めて浮き彫りになるという。
日本の企業関係者の間では、米国とイスラエルの軍事行動により、日本が受動的に物価上昇や経済見通し悪化のリスクを背負わされており、日本政府も新たな厳しい課題に直面しているとの見方も出ている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月10日
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