高市早苗首相は就任後初の訪米を間近に控えている。日本側は今回の会談に大きな期待を寄せているが、米国が戦略的優先事項を深く調整している最中であり、また米国とイスラエルによるイランへの軍事攻撃による国際エネルギー市場の激震といった重大な変動もあり、米国を利用して自国の難題を解決しようとする高市氏の思惑は実現困難だろう。「環球時報」が伝えた。
現状を見る限り、経済・貿易問題と地域安全保障が高市政権の主要議題となる見込みだ。焦点は対米追随の強化と、米国の対外戦略における日本の「存在感」向上、つまり対米「結束」の強化にある。
経済分野では、高市氏は日米協力の目に見える成果に期待している。トランプ大統領との会談で対米投資第1弾について「緊密に協力する」を表明すると先月に発言したが、これは実際には一方的な負担増や世界的な課税を求める米国に協力する外交方針をより強く示すもので、自国のさらに多くの利益を犠牲にする代わりに、トランプ政権の東アジア安全保障への関心を引き出そうとする意図がある。
より差し迫った地域安全保障問題では、日本は自国のエネルギー安全保障に直接的な打撃を与える中東の戦乱に加え、「自由で開かれたインド太平洋」における影響力の衰退を懸念している。ニクソン時代の「頭越し」外交のように、米国が日本を飛び越えて米中二国間関係を推し進める事態を警戒している。そのため、日本は首脳会談で日米の戦略的連携を明確にし、「揺るぎない日米同盟」をさらに高いレベルに引き上げることを重視し、防衛費増額や中東安全保障問題で米国にさらに従順な姿勢を示す可能性が高い。
しかし、非対称的な同盟関係下にある日本は、戦略的パラドックスに陥っている。高市氏の訪米は、大国としての地位を熱望しながら同盟の制約を受ける日本の戦略的ジレンマを鮮明に映し出しており、対米結束を強めれば強めるほど戦略的な落とし穴に深くはまっていく。
第一に、「安全保障」を追求する誤った手段は、他国の日本への警戒を強めるだけだ。高市政権が米国の戦略的関心を得るため、中国への深刻な内政干渉や主権のレッドラインに触れることを「名乗り」として、自ら大国の駆け引きの前線に立つことで、軍国主義勢力に対する国際社会の警戒と懸念を招くことは必然的だ。
第二に、「模範的同盟国」を自認しながら同盟リスクに対処する力を持たない。日本は米国の忠実な同盟国であることを誇りにする一方、莫大な資金を消耗し、世界的な関税や対米投資の代償を払っている。高市政権の「ディール外交」への底知れぬ協力と譲歩は、自国の経済的主権を蝕み続け、もともと暗澹たる経済発展の見通しをさらに悪化させる。
第三に、戦略的「ダブルスタンダード」が外交政策の深刻な分裂を招いている。高市氏は米国とイスラエルによるイランへの軍事行動が国際法に違反していることを見て見ぬふりし、日本が受ける現実的な打撃への言及を避ける一方、アジア太平洋地域ではいわゆる「ルールに基づく国際秩序」を呼びかけている。「国際ルール」に従うのか、それとも強者に追随するのか。これは日本がまたしても説明できない戦略的な袋小路だ。
要するに、日本の対米ハイレベル外交の最近の動向は、大国への追随と自己「解放」の間で戦略的余地がますます狭まっていることを示しており、日本を意図と能力のミスマッチ、手段と目標の逆転という戦略的危険に追い込むだけだ。高市氏はこれで段階的な目標を達成したいのかもしれないが、日本の戦略的運命が急転直下する結果を招くだけだろう。(筆者・朱晨歌 中国社会科学院米国研究所の研究者)
「中国網日本語版(チャイナネット)」2026年3月13日
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