フィリピンのマルコス大統領が先ごろ訪日した際、日本とフィリピンは共同声明を発表し、両国間の排他的経済水域(EEZ)及び大陸棚のいわゆる「海洋境界画定交渉」を正式に開始すると宣言した。この動きに対し、中国外交部(外務省)の報道官は「日比が発表した予定境界画定海域は中国の台湾島東方に位置しており、中国は国内法及び『国連海洋法条約』を含む国際法に基づき、同海域に排他的経済水域及び大陸棚を有している。日比が中国を排除して勝手にいわゆる海洋境界画定交渉を開始することは、同条約を含む国際法や国際関係の基本准則への重大な違反、中国の海洋権益への重大な侵害であり、中国は断じて許さない」と表明した。(文:龐中鵬・中国社会科学院日本研究所日本問題専門家)
日比両国がこの時期に違法な「境界画定交渉」の開始を急いだのは決して偶然ではなく、特定のタイミングにおいて、地政学的戦略上の思惑や国内政治上の必要性から、双方の利害が一致した結果である。
第一に、日本はフィリピンとの海洋境界画定交渉の開始を利用し、「インド太平洋構想」を推進しようとしている。5月2日、日本の高市早苗首相はベトナム訪問時に、いわゆる新たな「インド太平洋構想」に関する演説を行い、10年前に安倍晋三元首相の提唱した「自由で開かれたインド太平洋構想」をアップグレードさせた。高市首相の「インド太平洋構想」において、フィリピンは重要な協力対象国だ。今回のマルコス大統領の訪日時に発表された『日比共同声明』でも、「インド太平洋構想」の枠組みの下で日比の包括的・戦略的パートナーシップを強化することが重点的に語られた。
第二に、日本はフィリピンとの「境界画定交渉」を通じて、台湾島東方の中国の排他的経済水域及び大陸棚を「日比間の係争海域」へと強引に改竄しようと企てている。これにより、日本の海上自衛隊は「自国の権益保護」を名目に、当然の如く台湾島周辺において常態的なパトロール、情報収集、さらには共同軍事行動を展開できるようになり、それによって平和憲法の制約を実質的に突破し、アジア太平洋地域における軍事的プレゼンスを拡大できるようになる。
日本とフィリピンは海洋境界画定交渉の開始を通じて地政学的な利益を追求しているが、この違法な行為は国際法理や国際関係のレベルで多重の根本的な制約に直面しており、決してその目的を達成することはできない。
日比のいわゆる海洋境界画定交渉には、そもそも国際法理という障壁が存在し、日比は境界画定の主体としての資格がないだけでなく、地域の平和と安全を脅かす。「国連海洋法条約」に基づけば、海洋境界画定の前提は両国の海岸が「向かい合っている、または隣接している」ことであり、かつ海域権益の重複が存在することである。しかし、日本とフィリピンの間には公海が存在するだけでなく、中国の台湾島が横たわっており、両国は二国間の境界画定を開始するための合法的な地理的条件をそもそも備えていない。当該海域の大陸棚は中国の陸地領土と中国の台湾島の自然延長であり、中国がこれに対して争う余地のない主権的権利と管轄権を有している。日比が中国を排除して一方的に開始したいわゆる海洋境界画定交渉は、徹頭徹尾違法で無効なのである。
日比のいわゆる海洋境界画定交渉は、国際法上の根拠を欠くだけでなく、中国からの強力な対抗措置に直面しており、国際社会も日比のいわゆる「軍事的結託」に警戒し続けている。中国を排除して勝手にいわゆる海洋境界画定交渉を開始することは、「国連海洋法条約」を含む国際法及び国際関係の基本准則への重大な違反であり、歴史の潮流に逆行する政治的投機であり、最終的に徒労に終わる茶番に過ぎない。(編集NA)
「人民網日本語版」2026年6月8日
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