発表資料によると、第12次五か年計画以降の中国の大気環境観測技術は大きく進歩し、一般観測業務に必要な技術システムが整備された。PM2.5、オゾン、揮発性有機化合物などの観測技術の発展は、第12次五か年計画における大気基準値の実施を効果的に支えてきた。環境保護部の陳吉寧部長は、「全国のPM2.5観測網はすでに完備され、観測所は北京・天津・河北省により多く配置されている」と話す。
北京市環境観測センターの李倩博士は、「衛星リモートと地上リモートの2つから成る微小粒子状物質遠隔観測ネットワークを我々は構築した。地上リモートはレーザーレーダーを用い、光学観測の方法で汚染層分布と汚染の流れを掴むものだ」と説明する。現在、北京・天津・河北省地域の汚染観測が一体化された。衛星が観測するのは地域、水平分布で、レーダーが観測するのは汚染物の垂直分布だ。これにより、立体的な地域の観測ネットワークが作られている。
李倩氏は、レーダーは定性観測と気象モデルを統合するだけでなく、異なる風向きにある北京とその他地域の越境流動を観測し、突発的事象における環境的影響を発見できると強調する。「2015年の天津港における爆発火災事故において、爆発で生じた煙を静止衛星から観測した。それは東、北に向かって拡散するものだった」。
データは予報警報システムの基礎となるものだ。第12次五か年計画の科学技術プランの支持の下、中国はスモッグ予報警報モデルを構築した。2013年には北京・天津・河北省および周辺地域で運用を始め、重汚染に関しては全地域で、一般汚染に関しては75%以上の地域で正確な予報を出すことができた。