衛生部がこのたびの地震を受けて設立した第一期医療隊の隊長を務める首都医科大学公共衛生学院の高星教授は、このほど開催された「ブン川大地震医学救援懇談会」で「今回の地震救援活動では、ヘリコプターが大変重要な役割を果たした。国は空からの医療支援メカニズムを早急に構築する必要がある」と発言し、専門家の多くがこれに賛同した。新華社のウェブサイト「新華網」が伝えた。
解放軍総医院医療第一分隊の唐佩福隊長によると、このたびの地震の主な被災地は山間部にあり、山では深刻な地滑り現象が起こり、交通が遮断され、負傷者を陸路で移送することができなかった。こうした状況の下では、空からの支援が重要な役割を発揮する。救援部隊が空から被災地入りすれば、負傷者の多くをヘリコプターで迅速に移送することができる。
民政部緊急支援センター航空支援対策部の袁菲さんは次のように話す。空からの支援がなく、ヘリコプターによる医療関係者や負傷者の移送がなく、ヘリコプターからの水や食品、薬品の投下がなければ、災害による死者や負傷者はさらに増える可能性がある。空からの支援の役割と効用は、このたびの地震救援活動ではっきりと示された。
また袁さんは次のように話す。このたびの支援活動では軍用ヘリコプターが中心となり、支援に専門的な方針が欠けていた。支援の最前線で行った調査によると、今回出動したヘリコプターには捜索支援用の設備がほとんどなく、医療設備や医療関係者の同乗もなく、国には空からの支援活動を専門に行う機関もないことが明らかになった。袁さんは、専門家で構成された航空緊急支援の専門機関と航空緊急支援の拠点の設立を提案する。
高教授は「国は早急に空からの医療支援機関を設立し、専門の支援チームを訓練育成し、標準化された装備、薬品、物資を準備すべき」と話す。
このたびの懇談会のテーマは「科学的な救援活動、生命の尊重」。被災地の医療支援の第一線で活躍した武警総医院、中国紅十字会(中国赤十字)、唐山開ラン医院などのメンバーが参加し、それぞれの体験を語るとともに、救援活動の経験・教訓を総括した。
*ブン:「さんずい」に「文」
*ラン:「さんずい」に「欒」
「人民網日本語版」2008年6月23日