一方、働き盛りの若い世代が猫や犬を飼う理由はそれとは異なる。犬は忠実で勇敢だ。彼らにとって格好の生活のパートナーである。神秘的で媚を売るのがうまい猫にも多くの“ファン”がいる。日本で増加する孤独な若者に対し、猫たちは「必要とされている感」を与えている。挫折を味わった時や落ち込んだ時などには、かけがいのないパートナーとなる。そして彼らはこう思う。人間よりよっぽど情があると。
さらに興味深いのは、「ペットの世話は、子供の世話より大変だ」という考え方である。事実上、犬好きと猫好きが増えている背景には、日本社会に広がる孤独感と寂しさがかなり反映されている。付き合いが疎遠になり、人間関係に疲れ切ってしまった状況が、孤独と寂寞を生み出しているのだ。要するに、人と人との距離がこれほど疎遠にならなかったら、ペットがこれほど愛されることもなかったはずだし、ペットが社会的役割を演じることもなかっただろう。中国でも犬と猫の地位が上昇しているが、これは中国社会も人間関係を重視すべきだという警告なのだろうか。