昨年8月から、女性経営者がヤクザに襲われる事件が多発している。「女子供には手を出さない」というヤクザの掟が消えてしまったようにも感じられ、一般市民はこれまで以上に彼らを恥知らずだと思うようになった。ヤクザの立ち入りを禁じる張り紙を出す飲食店も各地で現れ、ヤクザに対する嫌悪感は至るところで見られるようになった。
かつてヤクザ組織は、マネーロンダリングのために不動産や金融などの業界に深く足を突っ込んでいた。現在は経済が低迷していることに加え、警察の厳しい追及が重なったことで、組織の資金源に大きな変化が生じている。あるヤクザ幹部が漏らす。「最近、我々のシノギで一番多いのが麻薬取引だ。手っ取り早いからね。その次がオレオレ詐欺。簡単に成功するから」。オレオレ詐欺についてこの幹部は、「名簿やマニュアルを準備してから、若いヤツをアルバイトで雇って、マニュアル通りにやらせている」と言う。
しかし、これだけでは満足できる収入は確保できない。ヤクザ組織の資金は枯渇し始めている。この幹部の話によると、見限った構成員が組織の金を持ち逃げするケースが増え始めていると言う。警察に厳しく監視される中、裏切り者を追いかけるのも楽ではない。崩壊寸前の組織は、自己防衛のため、次々と警察に白旗をあげ始めている。組織を離脱したと見せかけるヤクザも現れた。かつて風を切って歩いていた日本のヤクザがここまで堕ちてしまうとは、想像もつかなかったことである。(蒋豊)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年5月19日