日本の市場経済は完全に成熟しており、社会の信用体系も健全で整っている。
日本の信用体系の基礎は良好な教育にある。幼稚園のときから「信用教育」を非常に重視しており、嘘をつくことを最大の恥としている。保護者も学校側の教育に協力し、子どもが嘘をつかないよう躾ける。こうした教育が大学卒業まで続く。社会に出ても、やはり嘘つきは最大の欠点とされる。日常生活、仕事に関わらず、嘘をつけば信頼を失い、蔑視される。どんな業界であっても数値のねつ造や虚偽の発言は評価を大きく損ね、協力パートナーは去る。何れにしても、社会全体が信頼の上に成り立っており、事実を隠蔽したり、人を騙して利益をかすめることもあるが、それが発覚すれば代償を償うことになる。
日本ではクレジットカードや住宅ローンを申請する際に、厳しい審査を受ける。まず、氏名と会社名、収入、会社と個人の連絡先、貯金残高などを記入する。銀行側が会社に確認を取り、もし事実と異なる場合は、発行は拒否される。日本のすべての銀行は信用情報を共有しているため、一度申請が拒否されれば、数年以内はどの銀行もカードを発行してくれない。返済期限が過ぎても返済が完了しない場合、銀行側はあらゆる手段を使い返済を請求し、最後は訴えられることになる。催促されてすぐに返済すれば良いが、一旦起訴されれば、カードの持ち主はブラックリストに登録され、不信任の記録が付く。未返済額が小さければ、刑罰が科されることはないが、一度ブラックリストに記録されると、どこに行っても他人から軽蔑されることになる。