「ゴミが都市を取り巻く」、「ゴミの埋め立てが水源を汚染する」といった問題に悩まされている都市は少なくない。記者は先日、日本のゴミ処理工場を取材した。ここでは可燃物を燃やしてゴミの量を減らすと同時に、高効率で廃熱発電を行っていた。まさに一挙両得である。
記者が訪れたのは、大阪市環境局が管轄する「大正工場」。工場長の長野卓夫氏によると、大正工場は1980年7月に建設された。8か所ある大阪市のゴミ焼却工場のうち、最も古い工場だという。
工場はやや古くみえるが、場内はどこも清潔が保たれている。車で運ばれてきた可燃ゴミが、専用の投入口に投入される。巨大なゴミ炉は深さ40メートル、容量は8000立方メートル。2400トンのゴミを入れることが可能だ。作業員が投入口突端にあるガラスのカーテンウォールの後ろからクレーンを操り、1回あたり3トンのゴミを掴んで中に送り込む。
処理すべきゴミは大量にある。しかし工場内に異臭が立ち込めることはない。ゴミの生む異臭は空気吸引機で除外される。除外された異臭は空気予熱器によって150~200度に温められた後、ゴミ炉に送られる。すると炉内の高温によって異臭が分解されるのだ。また、ゴミ焼却時にダイオキシンが発生するのを防ぐため、850~950度の高温でゴミを完全燃焼させている。作業員がコントロールモニターで監視することで、ゴミ焼却炉の状況が常に把握されている。
ゴミ焼却の過程で生じる粉塵は、電気集塵機で吸引される。排気ガスも、洗浄装置や濾過式集塵装置で処理する工程がある。ガスは安全な基準に達した後、窓から排気される仕組みだ。