東京の新宿は今後数年間に渡り、5万4000人の収容人数の国立競技場を8万人規模の「オリンピック会場」に改築する。高速道路も補修され、成田空港と羽田空港を結ぶ電車も高速化され、その他の各会場も雨後の竹の子のように建設されるだろう。これらの国家的な大プロジェクトがあれば、日本がデフレから脱却し、物価を引き上げる可能性が生まれる。物価が上昇すれば、人々は消費せざるを得なくなる。銀行に貯金しても、その価値が下がるからだ。
日本にとっての悩みの種は、止まることを知らない原発汚染水漏出問題だ。毎日新聞は9月3日の社説で、「汚染水は日々増加している。破壊された原子炉を通過する地下水は毎日400トンに達しており、これらの汚染水は溶け落ちた燃料と接触している」と論じ、東電と日本政府に抗議した。しかし安倍首相は、そうは考えていないらしい。安倍首相は9月7日にオリンピック誘致のプレゼンで、「(福島原発の)状況はすでにコントロールされており、東京に影響が及ぶことは絶対にない」と言い切った。しかし日本人は、安倍首相の発言を信じていない。朝日新聞は9月9日に、日本政府の汚染水処理問題に関する調査報告を掲載した。それによると72%の回答者は、日本政府の国内外に対する説明と情報公開の対応に遅れがあるとした。
東京都と木野内氏は原発事故の処理に必要な経費を、計算に盛り込んでいなかったのかもしれない。これを盛り込んだ場合、オリンピックの経済効果は3兆円になるだろうか、それとも150兆円になるだろうか。これは一般人には想像もつかないことだが。(筆者:陳言)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2013年9月12日