周さん夫妻の香菜栽培は個人的な楽しみに過ぎないが、多くの中国人が野菜を販売するにまで発展させている。彼らは皆最初は自分の趣味で栽培を始め、量が多いときは友人に贈るといった程度だった。しかし、噂は中国人コミュニティーでたちまち広まり、次第に民間の野菜売買グループが知らず知らずのうちに形成されていった。
莴笋や茭白が豊作の時には、中国の携帯アプリ「微信」(WeChat)でグループが作られ、そこで販売方法や購入量、輸送費の節約方法といった会話が飛び交う。関東地方では東京郊外と埼玉県を拠点に、中国人による莴笋や茭白、茴香の個人売買が活発に行われている。
数日前に茭白の売買をしたという孔さんは記者の取材に対して、「まず微信を使って30キロほど買い求め、錦系町にある上海レストランに送り、時間を決めて皆でそのレストランに集合し、そこで現金と野菜を交換します」と話す。埼玉県から茴香を二箱受け取った孫さんは、すぐに友人にお裾分けし、自分も茴香餃子を作って食べたという。久々に食べた祖国の味は、ここが異国の地であることを忘れ去らせてくれたと笑顔で語る。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2013年11月19日