しかし、これほど優れた成績を前に、その代償は合理的か、価値相応かなど多くのことを考えさせられる。ある業界関係者は、中国の学生が基礎知識学習に費やす時間は西側の学生の2~3倍だと話す。上海の学生の学力の一部は、追加した「学習時間」で得たものである。
基礎教育において、東洋と西洋にはそれぞれの文化的な習慣がある。西側は子供の天性を重視し、心身の自然な成長を尊重する。一方、東洋は2000年にわたって暗記する方法をとってきた。実は、東西の教育界に自身は完璧だという考えはなく、米国では「教育改革」の声が高く、基礎学習の時間とテストは増えている。中国政府が進める「総合素養教育」の望みは非常に切実なものであり、この目的を達するために大学受験を簡素化する改革が進められている。
しかし、「総合素養教育」の迅速な発展の実現は容易ではない。中国が取り組む基礎知識の教育は国が作り上げたものではなく、大学受験という「指揮棒」だけのせいにしてはいけない。東アジアほぼ全域の文化的な問題である。台湾や日韓を見ると、大学受験の改革はこの問題を一部緩和できるだけである。