忘れ去られた日本のテレビブランド
日立やパナソニックが中国と別れを告げるというニュースは、これらのブランドで初めてテレビを見たという多くの年配の人々にとってはやはり寂しいニュースになっただろう。しかし、実際にはこれらのブランドは数年前からすでに多くの人々に忘れ去られた存在となっていた。2010年から中国で販売されていた東芝の液晶テレビは、そのほとんどが中国のテレビ企業TCLに代理生産されており、東芝中国はTCLと合弁会社である東芝ビジョンプロダクツ中国有限公司を設立していた。にもかかわらず、東芝の液晶テレビは中国市場ですでに主流製品から漏れ、多くの家電販売店から姿を消していた。つまり、こうした背景下で大連工場が閉鎖されても、中国市場への影響はほとんどない。
パナソニックの場合も同様だ。パナソニックはかつてプラズマテレビ戦略を掲げ続け、液晶テレビの分野ではチャンスを逸したため、液晶がテレビ市場を占めた近年は、プラズマテレビメーカーは大きく萎縮してしまい、売り場での販売面積もますます小さくなっていった。家電業界に詳しい劉荷清(リウ・ホーチン)氏は「優れた製品でなければ、一時的にチャンスをつかんでも次第に忘れ去られてしまいます。変化の激しい電子製品は特にそうです」と語る。青年報の記者の調べによると、現在三洋、ソニー、シャープの3社だけが現在も中国市場で生き残りを賭けて激しい競争を繰り広げている。