いたるところに存在する発行ネットワーク
日本の出版物の発行形式が特殊であることは、日本の伝統メディアが生存し続ける主な理由でもある。明治大学新聞科の松志浩講師は、日本の出版業は強大な発行システムがあるため、最も短い時間で出版物を届けることができ、このような形式は他の国の露天で新聞を売る形式と大きく異なると話す。
具体的な角度から言うと、出版物を読むのが好きな日本で発行部数が多いのは、大いに発達した発行ネットワークがあるためである。日本の新聞の95%以上は購読申込みによるものである。全国に約2万カ所の配達所があり、どこにでも配達できるようになっている。
雑誌は講読申込みの形だけでなく、全国各地のコンビニエンスストアとも提携しており、発売後すぐに店頭の最も目立つ場所に置かれる。
そのほか、独特な「新聞を家庭へ」という形があり、各家庭が1部以上新聞をとっている。
多くの配達所がどこかの新聞と単独の契約を結び、新聞の販売部門と協力し、迅速に各家庭に届ける。東京では配達所は1社の新聞社とだけ契約を結び、地方では2社のところもある。
配達員の仕事は大変で、購読者を増やすだけでなく、既存の購読者を失わないようにもしなければいけない。配達員が収入を増やすために新聞に折り込み広告を入れることもよくある。
日本のある専業主婦は、「営業マンが来て、購読を申し込めば洗剤をつけると言われた。3カ月経って契約が終わる頃にまた来て、継続すれば油などの価値が高いものをつけると言われた」と話した。
男性は新聞を読む習慣があるが、主婦は粗品が目的で購読を続ける。発行部数1位の『読売新聞』には野球チームがあり、購読者が野球の観戦チケットをもらえることもある。