自ら試練に立ち向かう
朝日新聞社のモデル転換のやり方は、新時代に日本の伝統メディアが活路を切り開く縮図である。現在、朝日新聞社の下には『朝日新聞』、テレビ朝日、ABCラジオなどのメディアがある。1995年に朝日新聞社が開設したニュースポータルサイトは、世界で最も早い大型のニュースサイトの一つである。
同サイトは2007年に月間閲覧数3億回と1日の閲覧数2000万回の記録を作った。重大事件があると、インターネット、テレビ、ラジオ、新聞が連携し全面的に報道するようになった。
ビジネスポータルサイトと異なり、朝日新聞のサイトの利益は広告収入だけではない。130年の歴史を持つ朝日新聞社には、その他のネットメディアにない巨大な文献バンクがあり、専門の迅速なマルチメディアニュースネットワークもある。
これも個性的なニュース報道、過去の文献の閲覧などの基礎になっている。朝日新聞のデータバンクから価値がある報道を取得するには1本105円(約6.7元)かかる。
よい内容を保障した上で、朝日新聞社は有料のウェブサービスを開始した。同社は2011年5月に有料の「朝日新聞デジタル」を開設し、無料のニュースサイトも残した。当然、無料で閲覧できるのはニュースの一部であり、全文を閲覧するには有料の購読申し込みをしなければいけない。朝日新聞社はこのような方法で新聞発行部数の減少による損失を埋めた。
また、朝日新聞社は他の新メディアとも協力を展開している。iPadやアンドロイドなどの移動端末でニュースアプリを提供したり、コンテンツ提供元として『朝日新聞』の有名コラム『天声人語』を電子辞書に入れるなどした。現在、日本の各種の新メディアにおいて、朝日新聞社の姿はいたるところに見られる。
伝統メディアである朝日新聞社の新メディア分野での発展は『朝日新聞』の発行に影響し、広告収入の減少により財政難に陥るとの懸念もある。
しかし、実際は、日本の新聞の購読収入は売上高の50%以上を占めるため、電子版に変わっても売り上げにあまり影響せず、広告面の損失は有料サービスで補える。
そのほか、プラットフォームの拡大に伴い、新メディアに掲載される広告も増加している。『朝日新聞』の広告はここ10年で約27%減少したが、朝日新聞社の売上高はあまり影響を受けておらず、日本でモデル転換を最も成功させた伝統メディアの一つとなっている。
以上は作者の観点であり、本サイトとは関係ありません。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2014年6月27日