イギリス華人の楽楽さんは、すでに5年以上の経験を持つベテラン代理買い付け人だ。イギリスに住む前はフランスで学んでいたが、彼女の代理買い付けキャリアはその頃始まった。「中国の友人に頼まれてフランスの高級品を買ってあげたのが、この仕事を始めたきっかけです。そのとき、これで得られる利益が大きいことに気付きました。趣味を仕事にできる感じもありました。当時は学生だったから、週末に街で買い物に行きました」と楽楽さん。
卒業後、彼女はイギリスに住み、結婚し、子供を産んだ。いい仕事が見つからなかったことと、これまでの蓄積してきた経験や顧客があったこと、そしてそれなりの収入が見込めたことから、この仕事を専業にすることに決めた。新たなメディアが興隆するにしたがい、楽楽さんは自分のウィチャットを主要取引プラットフォームにした。そこに自分の子供や商品、生活をウィチャットにアップしていった。
彼女のウィチャットには2000人以上の「ともだち」がいる。友人からの紹介や、口コミで来たお客さんである。その多くが中国の1級、2級都市のOLだ。「だいたいがリピーターになってくれる。信用を保っていますから。アップした情報は基本的に削除しないし、お客さんの基本情報や趣味を記録して、好みにあったものを推薦しているから」。
留学生:代理買い付けが「人気アルバイト」に
留学生の代理買い付けは、専業の代理買い付け人と比べて時間が限られていることから、規模が小さい。しかしその人数はかなり多い。フランスで代理買い付けをしているアニーによると、フランスで代理買い付けをしている留学生の多くが、パリに住んでいる「80年代生まれ」や「90年代生まれ」だと言う。彼らはそもそも買い物が大好きで、ブランドに詳しい。レストランでアルバイトをするより、ずっと気楽だ。
パリで高級ブランド経営について学ぶ李超(仮名)さんによると、代理買い付けは今後のキャリアのための勉強になると言う。彼は高級ブランドの新商品や定番商品、新しいブランドを専門に代理買い付けをしている。パリで専門の高級品バイヤーになることが彼の希望である。現在は主にフランス語の勉強をしているが、空いている時間を代理買い付けに費やしている。
李超さんが代理買い付けを始めてから1年が経った。この仕事は自分の生活費を賄うことができるだけでなく、専攻と関係があるため、自分の勉強にとっても有益なものである。代理買い付けをする過程で、高級ブランドの文化をさらに理解し、品質や材料について更なる深い理解ができる。
大きな価格差があることから、海外郵送した高級品は、たとえ関税が取られたとしても、中国国内市場価格より安い。代理買い付けをした側には10%の利益が得られる。もし手荷物で運べば、その利益はさらに高まる。だから高級品の代理買い付けが中国人留学生の「スタンダードな副業」となっても不思議な話ではない。