実のところ、廃品回収業者に売っても、直接ゴミ箱に捨てても、宅配小包の箱が最後に行きつく所は一緒である。大多数の段ボール箱は製紙工場に送られ、粉々にした後、紙生産の原料になる。
中国再生資源回収利用協会の概算によると、廃紙1トンを使って工場で再生される紙は0.8トン。この仮説に立てば、1トンの紙で何回も段ボール箱として再利用できる。捨てられた箱1トン全てを回収すると0.8トンの新しい段ボール箱ができるが、残った0.8トン分はやはり樹木を伐採して解決するしかない。また、生産過程において石炭や電気などのエネルギーを消耗することになる。水や大気などの環境も汚染されることになる。もちろん、大量のビニールテープや発泡スチロールもあり、これらは再利用できないため、焼却や埋め立て処理されることになる。これらは深刻な汚染問題をもたらす。
広東省の政協委員で、中山大学環境生態研究院の院長である楊中芸氏は、「政府は支援策を出し、企業に補助金を支給し、宅配業者に段ボール箱を回収させるようにするべきだ。そうすることで、二次利用、三次利用が可能になる。立法から監査、市場など全てで責任制を採り、さらに宅配企業の全ての産業チェーン全てに対して責任を持たせるべきだ」との考えを示す。
「市民も環境意識と社会的責任を育てる必要がある。制度を作って有効に運用していくべきだ」と楊中芸氏は言う。「より広い範囲で宣伝教育を行い、家でゴミ分別をしてもらい、設備も完備する。ゴミ分別による回収と再生資源の回収がかみ合うようにしていくべきだ」。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年4月9日
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