海洋総合調査船「向陽紅01号」の初の南極調査に参加した調査隊員によると、向陽紅01号は、中国の南極調査で手薄だった大西洋海域で、「海洋物理・気象」「海洋地質」「海洋地球物理」「海底地形・測量」「海洋化学・生物生態」「海洋環境」の6学科分野の調査を行い、豊かな研究成果を上げた。とりわけ海底の熱水と冷湧水との併存は世界初の発見となった。
▽熱水と冷湧水の併存現象を発見
調査隊を率いた国家海洋局第一海洋研究所の李鉄剛所長によると、向陽紅01号は2017年12月30日、中国の第34回南極調査を開始し、海上で46日にわたる調査を行い、豊かな調査の成果を得た。調査隊員が上げた最も重要な成果は、海底の熱水と冷湧水が併存している現象を南極で初めて発見し、天然ガスハイドレートの形成と海底の熱水活動が密切に関係していることを示す直接の地質学的・地球物理学的証拠を得たことだ。
南極のある海域で、調査隊員は、海底地震や浅地層断面をはかる装置やテレビグラブなどの設備を用いて、異なる地質単位の海底堆積物を定点採取し、15カ所でのボックスコアラーによるサンプル採取、8カ所での柱状サンプル採取を完了し、熱水活動と冷湧水活動の産物を採取した。
李所長によると、この2種類のサンプル最終地点はわずか200メートル前後しか離れておらず、同一の地質構造に属しており、熱水と冷湧水がともに生まれるシステムがあることを示している。冷湧水の形成にはこれまで、生物や熱分解などさまざまな成因が考えられてきたが、今回の調査成果は、海底冷湧水の熱成因に直接の証拠を与えるもので、さらなる研究に値する。