今夏は世界各地が熱波に見舞われている。6日に発表された研究報告書によると、各国がパリ協定の温室効果ガス削減目標を達成したとしても、地球の平均気温が4−5度上昇し、地球が本当に温室になることを阻止できないという。各国は地球環境の許容度の上限に達することを回避するため、さまざまな措置を講じる必要がある。
【温暖化は回避不可】
この報告書は、ストックホルム・レジリエンス・センター、コペンハーゲン大学、オーストラリア国立大学、ポツダム気候影響研究所の科学者らが共同作成し、米科学アカデミー紀要(PNAS)に掲載された。
2015年12月にフランスの首都パリで開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議で、約200カ国がパリ協定を採択した。パリ協定は各国にCO2などの温室効果ガスの排出を削減し、世界の平均気温の上昇幅を産業革命前から2度以内に抑えるよう求めている。
ところが報告書の筆者は、各国が約束通りに排出を削減したとしても、地球の気温の上昇幅が2度を上回る可能性があると判断した。
世界の平均気温は産業革命前より約1度上昇しており、10年で0.17度のペースになっている。
報告書によると、気候変動が地球環境の許容度の上限、もしくは臨界点に達すれば、世界の生態系が「中性」もしくは「有益」から「有害」に転じる可能性があるという。これにより人類活動により排出されるCO2やメタンガスが増え、地球の温室化が不可避になるというのだ。
科学者らは、この変化を阻止するためには温室効果ガスの削減だけでは不十分としている。さらに林を守り育て、土壌を改善し、生物多様性を維持し、技術改善により大気中のCO2を地下に封じ込めるなどの対策が必要だ。