中国の食品浪費量は年間1700~1800万トン 子供の頃から教育すべき

中国の食品浪費量は年間1700~1800万トン 子供の頃から教育すべき。

タグ:食育授業 倹約の美徳

発信時間:2018-08-10 11:19:49 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 

 真夏、山東省の271教育集団が所有するイ坊瀚声国際学校の教室棟の屋上には小麦があり、地上の畑にはナスやキュウリなどの野菜がある。趙豊平校長によると、これらの作物は校庭の美化のためだけでなく、販売のため、食育授業の実践用の畑でもある。趙豊平校長は記者に対し、「食育授業には大きな効果がある。7000人以上の学生がいる山東昌楽二中学を例に挙げると、学校の残飯は減少し、汚水は1日20桶からわずか4桶に減った」と話した。


 趙豊平校長は、浪費や贅沢は子供の心身の健康にマイナスで、未来の発展に影響すると考える。「適度な量を知る」と言う概念を打ち立て、子供の頃から身につけさせ、倹約の美徳を食育を通して培う必要がある。「人にとって食は毎日のことであり、1日3食は学生たちの生活に最も近く、生活こそが教育そのもの」と趙豊平校長は話す。


驚異的な量の食品を浪費 「食育」普及は一刻の猶予もならない


 世界で年間約13億トンの食料が食物連鎖の各段階において浪費されている。これは14億ヘクタールの農作物、2500億立方メートルの地表水と地下水を浪費していることと同じである。


 現在、多くの学校が寄宿制をとり、学生たちは1日3食を学校の食堂で済ませる。校内の食品の浪費は深刻だが、その原因は想像以上に複雑である。例えば、食堂の料理が学生の口に合わないことは長期存在する問題で、多くの学生が「本当は無駄にしたくないが、量が多すぎて捨てるしかない」と話す。また、気分が落ち込んでいるときは2口ほど食べて捨ててしまい、気分がよいときは食欲もある。


 学生の李欣然さんは調査を通して、食品の浪費の主な要因は「量が多い」、「注文しすぎる」、「気分が落ち込んでいる」、「どのような料理かわからない」、「好き嫌い」などだと知った。学校の調査チームはこれをもとに、「食堂の料理に大小を設け、自分の食べる量に合わせて選べるようにする」、「新メニューの試食イベントを行い、学生に知ってもらう」、「学生と食堂の間に情報交流プラットフォームを設け、学生の意見に耳を傾ける」、「サークルの役割を生かし、食料節約や栄養などに関する講座を毎学期開き、学生の環境保護意識と健康理念を高める」などのアドバイスをした。


 子供たちの自主的な調査研究で明らかになった食品の浪費は氷山の一角にすぎず、食料浪費が存在するのは学校だけなく、レストランで提供されていた半分の量の料理も近年ひっそりと消えている。消費者に「適度な量の注文」を促す飲食店は少ない。外国人は中国で食事をすると、中国人のテーブルの豪華さに驚く。一部では最低消費額などが今も設けられている。伝統的な風習はなかなか変えられず、一部地域では「テーブルの料理を完食すれば、もてなしが不十分」と考えられ、結婚式などの大型の宴席では浪費が特に目立つ。


 中国科学院地理科学・資源研究所の成升魁氏のチームは以前、6年かけて食品浪費の研究を行なった。課題チームが北京、上海、成都、ラサの飲食店や食堂など366店から約8000テーブルの消費サンプルと8200件のアンケート調査を回収して分析したところ、中国の都市部の飲食業で食品浪費が深刻であることがわかった。2013年から15年までの調査によると、中国の飲食業の食品浪費量は年間約1700~1800万トンで、3000~5000万人分の1年の食糧に相当する。


 中国科学院地理資源所の劉暁潔博士は、「食品の浪費は大量の水、エネルギー、土地、生産資料などの資源を無駄にし、水系汚染、土壌汚染、温室効果ガス排出などの環境への負担を増やしていることを意味する。このような浪費は我々が考えているよりはるかに深刻」と話す。


食育システムの構築に共同で取り組む


 物を大切するということを小さい頃から習慣にする。国家食物・営養諮問委員会顧問の梅方権教授は、「食育の黄金期は0歳から7歳までで、子供の食事習慣を培う非常に重要な時期。早くから取り組めば、収益も大きい。食育は早いほどよい」と話す。


 趙豊平教授によると、最近の子供は大勢の大人に可愛がられ、紙や食料の浪費などは頻繁に見られる。服はブランドを比較し、電子製品は新しいものを追い求め、物質が豊富にある現在、多くの子供が物が不足しているという経験をしていない。物の浪費を減らし、節約の意識を培うことは授業で教えるだけでなく、関連の症例措置を講じ、家庭、コミュニティ、学校、社会がともに努力し、「倹約は美徳」という良好な雰囲気を形成する必要がある。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月10日


 

TwitterFacebookを加えれば、チャイナネットと交流することができます。
中国網アプリをダウンロード

日本人フルタイムスタッフ募集    中国人編集者募集
「中国網日本語版(チャイナネット)」の記事の無断転用を禁じます。問い合わせはzy@china.org.cnまで