多くの大富豪と同じく、米マイクロソフトの共同創業者であるポール・アレン氏も、商業打ち上げ市場に目を向けた。彼が創設した宇宙企業は20日、最新の発展計画を発表した。世界で翼幅が最大の航空機が、2020年にロケットを運び離陸する。
同機は各種ミサイルを積み離陸し、ロケットを高空で点火・発射し大気圏を突入させ、衛星を軌道上に送り込む。
アレン氏は商業衛星打ち上げ市場で勝利を収めるため、2011年にストラトローンチ・システムズを創立し、航空機によってロケットを空に運び打ち上げようとしている。この方法は従来の地上打ち上げよりも正確かつスムーズで、低コストだ。
計画によると、ロケットを運搬するのは翼幅が世界最大の双胴機で、2つの機体、6台のエンジンを持つ。翼幅は117メートルで、標準的なサッカーコートの長さに近い。
同機はまず米ノースロップ・グラマン製のロケット「ペガサス」を運搬する。この空中発射型ロケットはこれまで、その他の航空機からの打ち上げに成功している。ペガサスは最大で370キロのペイロードを400キロの高空まで届けることができる。上述した双胴機の初飛行は、2020年を予定している。
ストラトローンチは他にも、2022年に空中発射型中型ロケットを打ち上げる予定だ。そのペイロードは3400キロにのぼる。ペイロードが6000キロの強化版中型ロケットは、まだ早期開発段階となっている。
同社はさらに、再利用可能なスペースプレーンの開発を検討している。このペイロードを宇宙に運び地球に持ち帰る航空機は、米空軍のX-37Bスペースプレーンに似ているが、最終目標は有人飛行の実現だ。しかしこの航空機は現在、設計・研究段階だ。
商業打ち上げ市場の競争が激化している。米国のスペースX、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス、ブルーオリジンなどの企業が相次いで台頭している。空中発射システムに注目する宇宙企業もストラトローンチだけではなく、英国のヴァージン・ギャラクティックも類似するシステムを開発している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月22日