インドネシア国家災害対策庁のストポ報道官は24日、インドネシア西部のスンダ海峡で22日晩に発生した津波による犠牲者は373人に達し、5000人以上が避難したと発表した。
ストポ報道官が新華社に明かした情報によると、現地時間24日17時時点で、津波による死者は373人、負傷者は1456人、行方不明者は128人になり、5665人が避難した。そのほか、600棟以上の家屋、69軒のホテル、60軒の飲食店が深刻な被害を受け、420隻の船が破損した。
ストポ報道官は、「建物の下敷きになっている人がまだ大勢おり、数千人の軍警、捜索隊員、ボランティアが生存者の捜索を懸命に行い、犠牲者の遺体を運んでいる」と話した。数十台の重機が導入され、国家電力会社の従業員は被災地の一部の電力供給施設で普及作業を行っているという。
インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は同日、被災状況が最も深刻なバンテン州パンデグランを視察し、関連部門に最新の津波警報システムに早急に交換するよう要請した。ウィドド大統領は、インドネシアは自然災害多発国であり、災害注意喚起を国民教育体系に組み込む必要があると示した。
そのほか、インドネシア気象・気候・地球物理庁は同日に記者会見を開き、スンダ海峡付近の海域は今後3日、強風と豪雨に見舞われ、潮が高くなる可能性もあるとした。同庁は付近のビーチでの活動を控え、直ちに避難するよう住民に呼びかけた。
スンダ海峡で22日21時27分に津波が発生し、バンテン州のパンデグラン、セラン、ランプンの一部海岸が被害を受けた。気象・気候・地球物理庁は23日、今回の津波は地震によるものでなかったため、当局は津波警報を発令しなかったと説明。津波はクラカタウ山の噴火による海底地すべりと高潮によるものと考えられる。
インドネシアは環太平洋地震地帯に位置し、地震と津波が頻繁に発生する。今年9月下旬、中部スラウェシ州ドンガラ県でマグニチュード7.4の地震が発生し、地震と津波により2000人以上が死亡した。2004年12月26日、スマトラ島沖でマグニチュード8.7の地震が発生し、津波は東南アジアとアフリカ東部の多くの国にも及び、20万人以上が死亡した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年12月25日