米ブルームバーグは19日、消息筋の話として「中国は輸入を計画している米国製品のリストから、トラブルが発生したボーイング737MAXを除外することを検討している」と伝えた。記事によると、ボーイングは中米通商合意により大規模な受注を獲得する可能性があったが、いまやこれに暗い影が差している。2回の墜落事故を受け、米運輸省はボーイング737MAX8の認証プロセスの審査を発表した。EUとカナダも事故機の安全性を独自審査すると表明した。ブルームバーグは20日、「中国は世界で真っ先に事故機の飛行停止を宣言した国だ。中国はボーイングにとって確かな脅威となる。本件により中国は航空産業のリーダーを確立するチャンスを目にした。特に中国製の大型機が間もなく交付される際に、中国が安全を提唱するリーダーという新たな役割を見逃すはずがない」と伝えた。
ブルームバーグの19日の記事によると、ボーイングは中国が対米貿易黒字を削減するため米国から輸入する製品のリストに挙がっている。737MAXはボーイングの現在最も人気の高い機種だ。ボーイングのデニース・ミュレンバーグCEOは今月7日、米国で開かれた航空会議において、ボーイング機の輸入は中米通商合意の一部になっている可能性があると述べた。エチオピア航空の737MAX8が今月10日に墜落し、157人が死亡し、ボーイングの姿勢が疑問視された。消息筋によると、中国は安全問題を受け、737MAXをリストから完全に除外するか、ボーイングのその他の機種に変更することを検討している。中国が737MAXの輸入を停止すれば、ボーイングは新たな失敗に直面することになる。
ロイター通信によると、中米貿易戦争により、ボーイングは昨年、中国本土で受注を獲得できなかった。中国が737MAXの飛行停止を宣言すると、業界関係者は「ボーイングは中米通商合意により大規模な受注を獲得する可能性があったが、いまやこれに暗い影が差している」と指摘した。
米航空市場専門家はロイター通信に「これはボーイングにとって悩ましい問題だ。中国が同社にとって最大の輸出先だからだ」と述べた。中国市場はボーイングにとって重大な意義を持っている。中国は今後10年で米国を抜き世界最大の航空市場になる見通しで、ボーイングとエアバスの旅客機を積極的に調達している。ボーイングの最新の予測によると、中国の航空機の需要は他国の及びもつかないほどで、2037年の需要は7690機、価値にして1兆2000億ドルにのぼるとみられる。