個体群の遺伝構造と動的歴史のシミュレーション・分析により、研究チームは銀杏の4つの古い遺伝成分が中国の3カ所の「避難所」に存在することを明らかにした。それは、浙江省の天目山を始めとする東部、貴州省の務川及び重慶市の金仏山を始めとする西南部、広東省の南雄及び広西壮(チワン)族自治区の興安を始めとする南部のことだ。世界が異常気象に見舞われると、種は次第にこれらの避難所に収縮されていく。気象条件が良くなると、これらは再び外の世界に拡張することになっている。
同研究により、世界に分布している銀杏のほぼすべてが、浙江省天目山個体群を始めとする中国東部由来であることが分かった。また銀杏は種の水準において高い水準の遺伝子変異を維持している。これは銀杏が環境の変異に直面した際に、多くの対策を持つことを意味する。研究者は、銀杏がまだ進化を続けていると信じている。
新たな危機も生じている。研究者は野外観測中、多くの野生の銀杏の巨木の周辺に、10年近くにわたり天然更新が行われている幼木や3年以上活着している苗が出現していないことを発見した。また大多数の銀杏の野生個体群が自然保護区内にないことが分かった。趙氏は「これは人々が再び救いの手を差し伸べ、正確かつ重点的に保護する必要がある」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年10月8日