国家言語資源観測・研究センターはこのほど、北京市内で「2019年度10大インターネット用語」を発表し、「断捨離」もその1つに選ばれた。以前は「ボロ家も万貫の値」と言われていたが、最近は「断捨離」が流行の1つになっている。この180度の変化は、人々の生活レベルが向上し、物質にあふれていることは「甘い負担」にでもあることを示す。「断捨離」という理念が生まれ、簡素な生活の法則が支持されるようになった。
「断捨離」で喜びとリラックスを感じられるのはなぜか
「断捨離」という概念の流行は、日本の整理収納アドバイザーのやましたひでこ氏の著作『断捨離』から生まれた。日本の禅宗寺の生活からインスピレーションを受け、やましたひでこ氏は雑品の整理から人生の整理にいたる「断捨離」の道をまとめた。
「断捨離」とは、やましたひでこ氏の定義だと、「家のモノを整理することで心も整理する」というもので、人生をより楽しくする方法である。ここで言う「モノ」とは家にある不用品で、負の感情をもたらすヒト・コト・モノも指す。例えば、タンスの奥にある洋服、時代遅れの電子機器、使用していない瓶や缶、面倒で疲れる人間関係などがある。
「断捨離」の方法は、不用品を処理し、不必要な関係に見切りをつけ、「多ければいい」という執着心をなくし、自分に本当に必要なものだけを残す。生活からモノを減らすことで、心に清々しい空間を作り、リラックスすることができる。やましたひでこ氏はこの過程を「行動がもたらす心の変化」と表現している。
米国の現代心理学の主要流派は、行為主義の観点を「人の全ての表出行為は心の世界を映し出す。外在的な表現を通し、その内心と真理を推測できる」としている。例えば、部屋が散らかっている人は、心が乱れている場合が多い。モノをためるのが好きな人は、物質が不足することへの恐怖と焦りがあると考えられる。