国際通貨基金(IMF)がこのほど発表した報告によると、世界の二酸化炭素排出量は2009年から安定した減少が数年続いたが、2017年に再び増加した。報告は、気候変動を緩和するには、二酸化炭素排出量の削減が必須だと呼びかけた。
報告によると、世界の二酸化炭素排出量は2017年に1%増加し、2018年にさらに2%増加した。近年、中国は再生可能エネルギーへの投資を増やし、経済成長を製造業ではなくサービス業に頼るようになったため、排出量は年々減少している。2018年、米国を除き、7カ国グループ(G7)の経済圏の排出量はいずれも減少している。米国の排出量増加は工業生産が回復したためで、悪天候も原因の1つである可能性がある。
IMFは以下のように指摘する。過去5年、エネルギー強度(GDPの単位あたりの総エネルギー消費量)と炭素強度(エネルギーの単位あたりの二酸化炭素排出量)の低下は二酸化炭素排出量の増加を抑える役目を果たした。しかし、2018年のエネルギー強度の二酸化炭素排出量への寄与度は低下した。これは世界の工業生産の周期的な回復によるものである可能性があり、その結果、エネルギー強度と炭素強度の低下で人口と世界平均所得の増加に対応できなくなり、特に平均所得の2017年と2018年の回復は二酸化炭素排出量の増加につながった。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年1月3日