消毒はウイルスの感染経路を遮断し、伝染病流行を抑制する重要な手段である。新型コロナウイルス関連肺炎が流行してから、多くの人が84消毒液やアルコールなどで自宅や衣類などを消毒している。その一方で、消毒を過剰にすれば、大量の消毒剤によって地下水が深刻に汚染されることを懸念する人もいる。国家都市環境汚染抑制技術研究センターの彭応登研究員は2月17日、科技日報の独占インタビューに対し、「家に感染者または疑いがある人がいなければ、常に清潔に保っていれば問題ない。一般的に特別な消毒措置は必要ない。1~3カ月消毒し続ければ、地表水、土壌、植物にある程度の影響が及ぶが、地下水の深刻な汚染には至らない」と述べた。
過剰な消毒が生態環境に危害をもたらしたケースはある。2003年のSARS流行時、過剰な消毒により台湾の淡水河とその支流に大量の漂白水が流れ、塩素量が高くなり、魚の群れが死に、回復まで半年かかり、河川の生態がダメージを受けた。
湖北省疾病予防抑制センターの主管技師の李世康氏は、塩素を含む消毒剤にはある程度の酸化性、腐食性、感作性があり、過剰量または長期接触は人体のやけどを引き起こすと指摘する。
彭応登氏は消毒剤の使用が地下水の汚染につながるかどうかについて、「これには長期間の影響過程が必要。つまり、消毒剤が長時間かけて持続的に地表水と土壌を通って地下にしみるということ。現状から言って、1~3カ月間の消毒は地表水と土壌にある程度の影響を及ぼすが、地下水の深刻な汚染には至らない。特に最近、武漢などで大雨が降り、北京などで雪が降り、雨や雪は環境中の消毒残留物を薄める作用があり、環境への危害を低下させた」と述べた。
彭応登氏は、「家に感染者または疑いがある人がいなければ、室内外を頻繁に消毒する必要はなく、消毒剤資源を病院や公共場所の使用にまわすべき。現状から言って、新型コロナウイルスの主な感染経路は呼吸器飛沫感染と接触感染であり、エアロゾル感染はまだ確証がない。一般家庭は頻繁に窓を開けて換気し、普段から手洗いをして清潔を心がけていれば問題ない」と話した。
北京市疾病予防抑制センターも、過剰な消毒は危害が大きく、消毒残留物は環境汚染につながり、消毒剤の長期使用は健康に影響し、物品を傷つけるため、科学的に適度に消毒する必要があるとしている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2020年2月18日