看護師長:感染しても「ボランティア」になる
1月末、梨園医院泌尿外科は、隔離病棟に迅速に改造し新型コロナウイルスの疑い患者の治療を行うという命令を受けた。孫姍姍さんは隔離病棟二科の看護師長に任命された。
医者と患者の安全のため、彼女は長年伸ばしていた髪を切った。「自分は看護師長だから、ほかの看護師の手本にならなければいけない」と孫姍姍さんは話す。彼女は娘をおばに預け、毎日同僚と病室で慌ただしく業務をこなし、2~3時間しか休めない日もある。
最悪の状況を想定していたが、検査リストを見たとき、彼女はやはりどきっとした。「自分がこれほど早く防護服を脱ぐことになるとは思っていなかった。科の若い女性スタッフのことが一番心配」と、この時も同僚たちのことを気にかけていた。
2月初め、孫姍姍さんは火神山医院で治療を受け始めた。入院後に倦怠感、息が苦しい、呼吸困難などの症状も現れた。しかし彼女は精神状態を整え、病気に立ち向かった。それでも、彼女は毎日同室の患者とともに歌を聴いたりヨガをしたりし、入院直後にパニック状態になっている患者を慰め、精神的なケアも行った。
看護師の負担を減らすため、孫姍姍さんは毎日シーツ交換やベッドメイキングを手伝った。隔離病棟の看護師は3層の手袋を装着する必要があり、防護めがねが曇って見えづらく、動脈注射の難易度を高めた。そこで、孫姍姍さんはは「看護師ボランティア」となり、注射や点滴などを手伝った。「自分は感染しておらず、別の場所で働いているような気分だった」と彼女は誇らしげに話した。
孫姍姍さんは回復し退院し、現在は自宅で隔離観察中である。彼女は、体調を整え、早く職場復帰したいと思っている。また、「戻ったときに、仲間たちが1人も減っていないといい」という孫姍姍さんの言葉から強い意志が感じられる。