中欧は世界の「不確定性」対応、国際秩序の共同維持の重要な力となり、相互協力の余地は幅広い。王毅氏は、「人類の発展の歩みという幅広い角度から見ると、中欧は制度性のライバルではなく、全面的な戦略パートナーであるべき。中欧間の交流は互いの成果のプラス循環であるべきで、どちらかが勝ちどちらかが負けるという勝ち抜き戦ではない」と述べた。
周辺の発展と安全構造の合理化
北東アジアにおいて、中国は「ポスト感染症時代」に着目し、地域一体化レベルの向上を安定的に進めている。米朝関係の動向について、王毅氏は半島問題を解決するには、「座って意見を述べ」米朝対話を早期再開し、「実際に行動し」中米の相互信頼を増進し、半島問題の膠着状態を打破する必要があると示した。
東南アジアについて、王毅氏は、中国はASEANを周辺外交の優先方向とし、ASEANが東アジア地域協力で中心的地位に立てるよう支援し、双方の関係促進を推し進めていると話した。少数の域外国が南中国で挑発や混乱を招く行動をしていることについて、「南中国海は中国とASEAN諸国の共同防疫の海、助け合いの海である。中国はASEANと新たな海上協力方式を積極的に模索し、南中国海の平和と安定を的確に維持する」と述べた。
南アジアで、米国とアフガニスタン・タリバンの平和協定調印後のアフガニスタン安全問題について、王毅氏は中国はアラビア人の内部交渉、平和と安定の回復、経済再建の推進、地域協力における積極的な役割発揮を引き続き促進し、「アラビア人主導、平和優先、広範な包容」の3原則を維持するとした。
より広い「大周辺」と発展途上の世界に対し、中国は「真実親誠」(真実・実務・親密・誠実)の理念を堅持している。王毅氏は中国とアフリカが「兄弟のように心を一つにし、より力を発揮する」ことに期待している。中国はアフリカの防疫を引き続き支援し、主要20か国・地域(G20)の「債務返済猶予」の実施を積極的に推し進め、アフリカ諸国の債務負担を軽減し、難関突破をサポートする。
感染症後の世界の変化への対応をシステム的に画策
感染症後の世界情勢を把握するには、事前準備が必要である。グローバル化、多国間主義、グローバルガバナンスの3大テーマについて、王毅氏は中国の対応構想と主張を示した。
まず、グローバル化にはより包容かつ一般特恵の発展が必要である。グローバル化は世界の発展を推し進める必然的な動きであるとともに、人類の進歩を促す強い流れでもある。グローバル化の拒絶、保護主義の台頭に前途はない。資源の世界合理的配分を堅持し、最良のコストパフォーマンスを維持すると同時に、グローバル化に伴う貧富の差の拡大、地域発展の不均衡などの弊害にも注意を向ける必要がある。我々はグローバル化をより開放、包容、一般特恵、均衡、ウィンウィンの方向に発展させる必要がある。
2つ目は、多国間主義にはより揺るぎない維持と発揚が必要である。今回の感染症は、どの国も自分のことだけを考えてはならないことを証明した。頻繁化する世界的試練に対し、国際社会は多国間主義を堅持するしか団結力を形成する方法はない。団結してこそ、困難を克服できる。