風が吹くとウイルスが拡散し、雨が降ると繁殖が速くなり、いずれも新型コロナウイルスの感染拡大を加速させるという噂が伝わっている。北京市科学技術協会などが開くデマ払拭プラットフォームは、これは根も葉もない説だと指摘した。
まず、強風が感染拡大を加速させることはなく、むしろ遅らせるという。
鐘南山院士は先ほどメディアのインタビューに応じた際に、「ウイルス感染は一部のモノに付着する必要があり、最も目立つのが飛沫感染だ。強風によりウイルスがすぐに薄まり、空気中で一定の濃度に届かなければ、自ずと感染しなくなる」と述べた。
また雨によって感染リスクが上がることもない。細菌の繁殖は湿った環境で速くなる可能性があるが、ウイルスは細菌と異なり宿主の体内に寄生し繁殖することしかできない。そのため湿ってもウイルスの数が増えることはない。それから、ウイルスは極小の飛沫という形式により空気中を漂っている。雨が降るとこれらの細かい飛沫は雨と共に地上に落ちて流される。人々の口や鼻に入り感染を引き起こすことはない。つまり雨が降っても新型コロナウイルスの感染が加速することはなく、むしろ空気中に漂うウイルスの数を減らし、感染リスクを下げることができるというわけだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2020年6月7日