北京冬季五輪組織委員会は18日に記者会見を行った。北京冬季五輪組織委員会新聞宣伝部の趙衛東部長は記者からの質問に対し、「人工造雪は地域の水使用安全と生態環境に影響を及ぼすことはない」と述べた。科技日報が伝えた。
趙氏は、「北京冬季五輪の雪上競技は主に延慶区(北京市)と崇礼区(河北省張家口市)の山間部で行われる。この2つの地域は独特な気候条件を備えており、自然の降雪が多い。北京は今月6日、例年より23日早めに今冬の初雪を迎えた。張家口でも同日、広い範囲で雪が降った」とした。
観測によると、今回の延慶競技エリアと張家口競技エリアで大雪が降った。うち延慶競技エリアの降水量は10.2ミリメートルで、山間部の積雪量は最大30センチメートルを超えた。張家口競技エリアの今回の降雪による降水量は25ミリメートルにのぼり、山間部の積雪量は最大30センチメートルを超えた。趙氏は、「今回の降温・降雪の天気を利用し、延慶競技エリアのアルペンスキーセンターと張家口競技エリアは積極的に人工造雪作業を展開する予定だ」と述べた。
趙氏はまた、「世界的な雪上競技の開催状況を見ると、競技用の雪質を保証するため、国際的な重要イベントのほとんどが人工造雪を採用している。人工造雪は地域の水使用安全と生態環境に影響を及ぼすことはない」と述べた。
延慶競技エリアの造雪に用いられる水資源は仏峪口ダムと白河堡ダムから共同で供給される。生活・製氷用の水道水は仏峪口ダムの下にある集中給水場から供給される。
北京市水務局のデータによると、冬季五輪の期間中に必要な水の量は延慶区の現在の水使用量の1.6%、延慶区現地の水資源量の4%を占める。競技後に必要な水の量は延慶区の現在の水使用量の2.3%、現地の水資源量の6%を占める。「そのため、延慶競技エリアに水資源不足の問題は存在しない。冬季五輪の競技中と競技後の水使用量が延慶区の水使用安全に影響を及ぼすことはない」と趙氏。
一方で、競技中に張家口競技エリアで必要な水の量は崇礼区の水使用量の9.8%、崇礼区の水資源量の2.8%を占める。趙氏は、「これらのデータからは、張家口の住民の生活用水が造雪の影響を受けないことが分かる。張家口市はすでに雲州ダムの水資源調節プロジェクトを実施している。同プロジェクトは完成後、崇礼区に累計で521万6000立方メートルの水を供給しており、崇礼区の地下水採取量を効果的に減らし、その水位の低下を防止している」と述べた。
また競技エリアの給水安全保障、汚水処理、節水などの措置の策定を通じ、競技エリアの水資源・水環境収容力を高める。例えばスキー場は貯水されている自然の降水や表面流出などを人工造雪の水源として優先的に利用する。人工造雪システムは先進的な高効率節水人工造雪設備とスマート化造雪システムを採用し、外界の環境動態に基づき最良の造雪効率を維持し、節水を行う。気象などの状況のリアルタイムモニタリングを通じ、最も適した条件下でスノーメーカーを使い、造雪による水資源の浪費を回避する。(編集YF)
「人民網日本語版」2021年11月20日