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人類が共生する「家」を造る

 こうした現状を改善するために、ハンギン旗の政府所在地であるシン(錫尼)からバヤンウス(巴音烏蘇)鎮まで、クブチ砂漠を貫通する道路を建設することになった。綿密な探査と設計を経て、1997年7月、百台のブルドーザーがクブチ砂漠に入った。

 しかし、砂漠に道路をつくるのは簡単ではない。酷暑の時期、砂漠の平均気温は40度に達し、狂ったような強風が黄砂を巻き上げ、人はほとんど息ができないほどだ。一番頭が痛い問題は、前日に苦労を重ねてつくった道路が、翌日になると砂に埋まってしまうことだった。

 道路をつくるにはまず砂漠を治めなければならない。そこで、13万のハンギン旗の人々は、道路の沿線に、砂に強い砂柳を植えたり、麦わらを砂地に差し込んだりして、格子状の砂止め地帯をつくり、砂丘を道路のわきに固定した。

エングベー砂漠の緑化に尽力した遠山正瑛博士の銅像と記念館

 砂漠の中を車が走るのは難しく、沿線に植える砂柳や苗木は、ほとんど人の手で運ばなければならない。炎天下で、50キロの荷物を背負って5キロ歩くこともあった。昼食は砂漠の中で食べる。一杯のインスタントラーメンをまだ食べ終わらないうちに、食器の中は舞い落ちてくる砂で半分ほど埋まった。

 砂漠は蒸発が激しいので、苗木の成育はなかなか育たない。ある牧畜民は、何度も試験した結果、ついに「容器植木法」を編み出した。これは水をいっぱい入れたペットボトルに苗木の根を入れて、地下に埋める。ボトルの中の水がなくなるとき、根はすでにボトルの口から出て付近の土地に根付く。こうして、苗木は育つようになった。

 1998年10月、全長115キロの「砂漠貫通道路」は全線開通した。今では、ハンギン旗から砂漠を走る道路は全部で5本になった。全長350キロ。道路沿線には、空中播種による造林45万ムー(1ムーは6.667アール)、人工造林25万ムー、砂を固定した林51万ムーあり、砂漠の移動をコントロールできるようになった面積は114ムーに達する。

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