広州医学院第二付属医院のキョウ梅恩・主任によると、焦りや抑うつを訴えて診察に訪れる患者の数は年の暮れに特に多くなり、平常時に比べて20~30%増加、1日150~200人に上るという。そのうち半分以上がいわゆるホワイトカラーの仕事をするサラリーマンで、自殺を考えたことがあるという症状の深刻な患者も1日5~6人来院する。「信息時報」が伝えた。
キョウ主任によると、年の暮れに焦りや抑うつに悩む患者が増えるのは、この時期に特有のさまざまな問題が重なることにより、過度の緊張状態におちいりストレスを抱えこんでしまう人が多くなるためだ。何かとせわしない年の暮れには、仕事の目処(めど)がつかない、業績がかんばしくない、同僚・上司・部下との関係がうまく行かないといった仕事上のトラブルが多くなる。また家庭や夫婦関係、近所づきあいなどで問題が生じやすくなる時期でもある。
広州市脳科医院の徐文軍・主任によると、焦りや抑うつを訴えて診察に訪れるほとんどの患者は、倦怠感・不眠・夢ばかり見る・眠りが浅いなどの心理症状を示すだけではなく、めまい・失神・動悸(どうき)・呼吸困難・口渇(こうかつ)・多尿・多汗・震え・筋肉痛などの明らかな身体症状を示している。
専門家によると、年の暮れ特有の心身症に悩む患者のほとんどは、▽劣等感を持っている▽小さなことを気にする▽性格が内向的である▽情緒が不安定である――などの特徴を持ち、人と付き合うのが苦手であるため、何かあった場合にそれを自分の心にとどめてしまい、すぐに感情を発散しない傾向にある。このような心理状態が長く続くと、さまざまな病状が出現することになる。
また逆に、▽競争心が強すぎる▽自分をコントロールできない▽怒りっぽい▽度量が狭い――といった性格の持ち主も、心身症にかかりやすいという。こうした性格が深刻な病状に転化することを避けるためには、怒りを抑制し、かんしゃくを起こさない良好な心理状態を保つように努めることが大切だ。焦りの解消は気持ちの流れをスムーズに保つ患者自身の努力にかかっている。
「人民網日本語版」2008年1月7日 |