「配給された救援物資が翌日になってはいけない、早く各村に送らないと!」これは胥家鎮共産党委員会・趙志龍書記が記者に対し繰り返し語った言葉だ。趙書記は、「もしテントが郷政府敷地内に置いてあったら、被災者達は屋外で雨に濡れてしまう。そうなれば職責を尽くさないことになる」と述べる。胥家鎮は都江堰市中心部から車で僅か10分ちょっとの距離にある。市中心部と郷の境にあたり、鎮内には16村および住宅団地1カ所があり、人口は約4万人を数える。今回の地震により、胥家鎮では計92人が死亡、85%以上の家屋は居住不可能な危険家屋となった。地震発生時、胥家鎮には副鎮長率いる人員が、ただちに都江堰市へ物資配給活動監視に向かった。
趙書記によると、鎮内では現在厳格な配給制度が実施されており、受け取った物資についてはすべて記録し、なおかつ記録は責任者の署名の入った「実名制」でなければならないという。「これらはみな今後監査する資料です。」趙書記はそう言って分厚い資料の束を記者に見せてくれた。
取材中、いずれの人も口々に、今もっとも不足しているのはテントだと語っていた。郊外の農村では、食料品・飲用水についての問題はある程度容易に解決できるものの、あまりに危険家屋となった住宅が多すぎ、テントが喫緊の必要物資となっている。17日現在、全郷には計430のテントが用意されたが、あまりに膨大な需要に直面し、胥家鎮はテント配給に関する3大原則を定めた。そのうちもっとも強調されるのが、「幹部の分は後回しに」というものだ。
実新村共産党支部の王学良書記は記者に対し、物資配給の問題は容易には解決できないと答えた。村内には1300戸の家庭が暮らしているが、配給される卵は僅か4百個にすぎないという。実新村では救援物資配給過程において、現在までに、物資の横領、住民からの訴えは一度もなかったという。もっとも重要なのは、「公」なのだ。
「人民網日本語版」2008年5月27日 |