ある不動産会社の李総経理はここ半年、忙しくて猫の手も借りたいほどだ。毎日ひっきりなしに仕事が山積みの上、中学生になる娘の米国留学手続きのため西安と北京を行き来しなければならないし、両親は両親で彼が顔を見せるのを楽しみにしているし、商売上の知人も接待する必要がある。事業が波に乗り、人生を謳歌しているといえる李さんに何ら不足はないが、ただ時間と体力が足りない。そのため、彼に替わって家の事をしてくれる頼りになる助手が心底ほしいのだが、どこを探しても適切な助手は見つからず、ようやく探しあてたのは家事のできる「家政婦」だけだった。「陝西日報」が伝えた。
▽ハウスキーパーは雇い主の助手
「家を管理してほしいという西安市民はいるが、家政婦にはこの仕事は荷が重いのが現状」。西安市婦女就業サービスセンター職業訓練部の担当者である康莎萍さんはこう話す。
西安市にある多くの機関がここ7~8年、家政婦を訓練し、その訓練を受けた家政婦は少なくとも1万人にのぼるというのに、家庭管理(ハウスキーピング)ができる人材がどうして一人もいないのか。同センターの姚乃琴主任は「それは少しもおかしいことではない。西安市の家政サービス業は現在初期の段階にあり、この業界で働く人は都市部の一時離職者や失業者または農村の女性で、年齢層がやや高く、教育水準もそう高くはない。彼女たちは子どもの学費を稼ぐとか、貧困から抜け出したいなど、必要に迫られてこの仕事を始める。何らかの職業訓練は受けてはいるが、それでもご飯を作ったり、子どもや妊婦、高齢者の世話をしたりと、一般的な家事ができるくらいで、家を管理するようなレベルとは程遠い」と分析する。
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