中国では現在、臓器移植の需給ギャップの矛盾が拡大している。臓器提供の意志のある人の少なさといった要素の影響を受けて、移植手術のチャンスに恵まれる患者はわずか1%足らずに留まっている。
中南大学湘雅三医院臓器移植センターの成柯副主任は8日、次のように語った。伝統的な倫理道徳観や医療水準の影響を受けて、中国では自発的に臓器提供を行う人間が非常に少なく、臓器のニーズに対する不足がますます拡大している。現在、全国で毎年臓器移植が必要な患者は約150万人いるが、毎年の臓器移植手術はわずか1万1千件程度で1%にも満たない。提供臓器の不足が中国の臓器移植医学の発展を深刻に制約している。
腎臓移植による尿毒症治療を例にとると、中国では現在毎年新たに尿毒症を発病する人が総人口の1万分の一いるが、臓器の不足から1年に行われる腎移植のケースは約1万件しかなく、尿毒症の患者のうち移植を受けられるのは1%にも満たない。多くの尿毒症患者は有効な治療を受けられずに命を落としているのが現状だ。
湖南省衛生庁は先ごろ省全体の臓器配分ネットワークを設立し、省内で臓器移植が可能な病院8カ所が情報を共有できるようになった。もしある病院で臓器提供があるものの、適合する患者が見つからない場合、同ネットワークを通じて全国に情報を発信し、必要としている患者を速やかに探し出すことができる
「人民網日本語版」2010年5月11日