現在米ニュージャージー州、スティーブンス工科大学に留学中のテキ田田さんに「テロリスト」の容疑がかけられ、西安に住む母親の王さんは困惑している。テキさんはただちに強制送還される可能性がでてきた。
テキ田田さんは指導教授と学業上の理由から意見が合わず、口論になったが、いかなる身体的接触もなかった。テキさんによると、「なんだあんたは」の程度の悪口だったが、教授は学校の警備員に通報、警備員は同日テキさんを拘束し、警察に移送した。
記者がこのほど王さんを通じて米国在住のテキさんの同級生に取材したところ、テキ田田さんは指導教授と1回口論になって拘束された。教授側はテキ田田さんが口論の中で、威嚇的な発言をしたと認識したようだ。
大学側の起訴状の中で、テキ田田さんは「テロリスト」と名指しされた。その理由はテキさんが学校に放火しようとしたからだという。テキさんを除籍とした大学側はその後移民局に移送、警察に拘束された上、検察に起訴され、テキ田田さんは一夜にしてごく普通の留学生から、米国の国家安全に危害を与える「テロリスト」容疑者となった。
「テキ田田さんが教授と口論した際、確かに衝突はありました。でもテキさん本人は、学校に放火するなどといった類の話は絶対にしていないと話していました」。女子学生によると、テキさんは研究室でも成績は優秀で、人付き合いも良く、皆がこの聡明な中国からの留学生を歓迎していたという。テキさんが「テロリスト」の疑いをかけられたことに、女子学生は理解に苦しんでいる。
テキ田田さんの移民案件担当者として米国籍華人の海明・弁護士が現在奔走している。取材に応じた海弁護士は拘留中のテキ田田さんとは電話で連絡を続けており、テキ田田さんの「テロ威嚇」容疑は不合理だと認識している。海弁護士は、テキ田田さんが先ごろテレビ取材を受けた際、大学側に対する不満を述べ、人種差別で大学を起訴したいと話したと述べた。「これが大学側の今回の本音だと思います」。
海弁護士によると、「テロリスト」は米国では重罪であり、罪名が成立した場合、テキ田田さんは即刻強制送還となり、学業を断念せざるを得なくなる。仮に今回テキ田田さんがテロ威嚇容疑には至らなくとも、司法当局は上訴を恐れているため、完全無罪で釈放される可能性は低く、さもなくば司法当局は天文学的数字の賠償を求めてくることが見込まれる。海弁護士は現在、テキ田田さんの強制送還回避に全力を挙げており、転学の権利獲得を目指している。
「人民網日本語版」2010年5月24日