中国の所得格差調査③戸籍、出身、企業内の地位などの差が所得差を広げる

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発信時間: 2010-05-25 16:27:41 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

「改革開放の当初、中国のジニ指数は0.3程度で、90年代中ごろに0.42になり、2010年には0.48に達した。これは住民の所得差が拡大し続けていることを意味する。所得分配問題は国民の改革成果の共有だけでなく、社会の安定にも影響し、すでに改革の重要問題の一つとなっている。所得分配の調整は目前に迫っている」と北京師範大学所得分配・貧困研究センターの李実主任。

また李実氏は次のように語った。絶対的平均は公平とは言わず、所得差には肯定すべき部分がある。計画経済時、従業員の給料は固定昇給制を採り、人的資本の報酬を人為的に押さえるという不合理なものだった。高等教育を受けた者、高級知識分子、ハイテクに従事する者が高収入を得るというのは市場経済の法則と一致していた。「ハイブリッド水稲の父」である袁隆平氏が7台の車を保有していることを明かした際、社会主義の労働に応じて分配するという公平な原則を反映し、市場経済の「教育投資・富の産出関連」の法則を実現したということで、世間から評価された。高所得で教育投資を激励し、国の人的資本の質を高めるという点については疑う必要はない。

しかし、科学的に公平な人材評価体系と競争に十分な人的資源市場がまだ不足している。教育投資の価値はまだ十分に現れておらず、戸籍や出身、企業内の地位などの差が所得差を広げている。調査によると、北京などで新卒者に行うの戸籍登録代行の価格は10万元以上に上昇し、大学生の大手国営企業、特に独占企業への就職を手助けする費用は十数万から高いので数十万に上る。企業や政府の指導者が自分の子どもに暗黙のルールで就職させるというニュースも度々メディアに取り上げられている。

李実氏は、「サラリーマンや農民家庭の優秀な子供たちが自らの努力で『竜門』をくぐり、高給取りの機関や業界に就職する機会はますます少なくなっている。これは経済・社会の発展における人的資本の効率を低下させるだけでなく、所得階層の分化を進め、金持ちはさらに金持ちになり、貧困者は貧困の状態が続くことになる」と語る。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2010年5月25日

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