中国人民大学労働人事学院がこのほど発表した「2008?2010年中国就業戦略報告(以下、『報告』と略)」では、大学卒業生の能力が総じて人事部の基準に達していないことが、彼らの就職難の主要因のひとつだと指摘されている。同時に、学生の就業能力不足という問題は、学生募集拡大後、だんだん深刻化している事態について、大学は相応の責任を担うべきだとしている。「中国青年報」が伝えた。
課題グループの責任者を務める中国人民大学労働人事学院の曾湘泉院長は、報告に関する説明を行い、「労働力市場は目まぐるしく変化しているが、大学の対応はそれに追いついていない」と指摘した。教育改革をさらに推し進め、大学に圧力をかけ続けるべきだと主張する同院長は、「成果が芳しくなく、進取の気性がない大学が衰退し、消えていくのは当然だ。政府が大学の破産・閉校を認可する制度が一日も早くできるよう期待している」と続けた。
「報告」は、国内大学の大きな問題のひとつに、大学教育における人材育成システムの不備を取り上げている。人材育成システムが、就業市場ニーズの方向性に追いついておらず、就業能力の育成目標は曖昧で、企業が求める実際の就業能力に対する学生の理解が不足している。このような状況において、大学で育てられた学生が、知識・技能面で人材市場のニーズを満たすことは不可能といえよう。
2007年に北京で実施された大学卒業生の労働市場ニーズに対する調査研究によると、市場は大卒生の就業能力に対し、かなり大きな期待を持っているが、ほとんどの大学生には実際その能力が備わっていないことが判明した。調査対象企業のうち、60%が「新卒生が実務についた新卒生の知識応用力が不足している」、40%が「大学の先行設置、能力育成、授業内容にかなり大きな問題がある」と答えた。また、大学生の側では、「学校で教わった知識は、実際の市場ニーズとかけ離れている」とした人は30%、「4年間に学んだことは陳腐化している」と答えた人も30%いた。
「報告」では、アンケート調査に対する有効回答2641組のデータ分析も行われた。これによると、大学卒業生の就業成功の決め手となる最も重要な要素として、「個人の能力(46.6%)」、「社会(親戚・交友)関係(32.02%)」、「専門知識・能力(12.03%)」、「出身校の品質(5.22%)」などが挙げられた。
「人民網日本語版」2010年6月24日