では、私たちは目の前のエリートと財産の流出をどのように見ればいいのか。
6月16日、中国国務院華僑事務弁公室の許又声副主任は、海外移民現象に対する3つの態度を述べた。「まずは尊重する。移民権は、人権の中で最も重要な部分である。もちろんその前提は合法であること。次に、中国は法に基づき新華僑達の海外での合法権益を保護する。最後は、指導。中国は新華僑が移民先の法律を尊重し、社会に溶け込み、現地の経済発展に貢献するよう指導する。」
これは中国政府の海外移民に対する開放的態度であり、良好的な国際視野であるとする声もある。中国社会科学院の学者、曾省存によれば、グローバル化が進む今日、移民ブームの出現は必然であり、合理性を持っている。中国大陸の移民ブーム以前、台湾にも同じような過程があった。シンガポールや韓国、一部の先進国に至ってもエリート流出の移民ブームを経験している。しかし、後の「人材流転」によりまた大きな利益を上げる立場となった。
「グローバル化時代」において、「人材利益」、「人材流転」、「ソフトパワー」などの概念が「人材流出」に取って代わろうとしている。香港大学アジア研究センターで博士課程を履修している閻靖靖氏によれば、今のところ、シンガポールやインドなどは、移民ブームによって取り返しのつかないような大きな打撃は受けていない。それは、人材流動が持つ循環性のほかに、当時これらの国が正確な人材吸収と人材還流の正しい措置を採ったことが一番大きいという。