中国社会科学院が11日に発表した「宗教青書」によると、中国には現在、推定2305万人のキリスト教信徒がいるという。これは、全国総人口の約1.8%にあたる。このうち、本人や家族の病気がきっかけで入信した信徒は68.8%にのぼる。
「宗教青書」は、中国社会科学院世界宗教研究所が国内で初めて発表した、全国のキリスト教信徒に関する調査報告。国内のキリスト教信はここ数年、かなりのスピードで増加しており、1993年以降の入信者は、信徒総数の73.4%を占めている。
外来宗教であるキリスト教の信徒の圧倒的多数は、クリスチャンの家庭に生まれ育ったわけではなく、自らの意思で入信しており、特に農村部ではその傾向が顕著となっている。
調査によると、キリスト教信徒の68.8%が、入信のきっかけとして、「自分や家族の病気」を挙げている。信徒が高齢であるほど、「病気」による入信の割合は高い。65歳以上の信徒のうち約8割は、本人や家族の病気をきっかけに信徒となった。「クリスチャンの家庭に生まれた」ことがきっかけで信徒になった人はわずか15%。
「青書」は、信徒数はかなり増えたものの、キリスト教関係の社会団体は依然、中国社会で「隅っこに追いやられたグループ」であり、「貧しい人の宗教」というイメージや、「信徒の大部分を占める高齢者と女性は、社会的弱者層の代表」といった見方は変わっていないと指摘している。
今日の農村部、特に河南など農民工(農村からの臨時出稼ぎ就労者)が多い省では、青年・壮年男子が出稼ぎに出ているため、高齢者・女性・児童の弱者層が「空洞化した村」の留守を守っている。そのため、キリスト教会はある意味で、留守を守る彼らの感情のよりどころとなっている。
また、調査結果では、中国のキリスト教信徒は女性が多く、約7割を占めることが判明した。学歴別でみると、信徒の学歴は総じて極めて低く、過半数が小学校以下、大専(短大)以上の学歴者はわずか2.6%。
「人民網日本語版」2010年8月12日