フィリピンで拳銃を持った男が香港からの中国人観光客が乗ったバスを乗っ取った事件について、香港警察特殊任務部隊(飛虎隊、SDU)の元隊員は、フィリピン現地警察の対応に不手際があり、何度も人質を救出するチャンスがあったにも関わらず、犯人を射殺したものの、9人の観光客の貴い命が犠牲になったと指摘した。 香港「文匯報」が伝えた。
テレビが生中継する中、犯人が顔を見せた場面が数回あった。これらはいずれも、犯人を狙撃する絶好のチャンスだったが、警察はこれらのチャンスを全てみすみすと逃した。
もとSDU隊員は、犯人が人質に向けて銃を発砲しはじめた時、現地警察はようやく人質救出に重い腰を挙げたと話す。生中継を見ると、救出隊員は最も基本的な装備、防弾チョッキさえ身につけておらず、爆発物は20ポンド爆弾のみという有様で、現場に突入して人質を救う装備とはとても言えたものではない。1時間後、ようやく警官がバスの上によじ登り車内に突入した。一歩間違えば、犯人が人質を全員射殺するという最悪の事態となったかもしれない。
北京のテロ対策専門家は、「現地警察は人質の身の安全を最優先とせず、彼らの救出方法には明らかに不手際があり、冷静さに欠いた軽率なやり方だった」との見方を示した。
「人民網日本語版」2010 年8月24日