中国側の仲介スタッフは、世界一の家政婦輸出国となったフィリピンは悲喜こもごもだが、フィリピン人家政婦たちにとっては逆に、よいブランドイメージになっていると指摘する。
また、外国人を扱う家政婦紹介業者の趙女史は、もう一つの理由をこのように話す。「中国国内の家政婦を雇っても費用は変わらないのに、サービスの質は(フィリピン人家政婦に比べて)ずっと低いの。」
北京オリンピック前のビザ管理強化や外国人居住区におけるフィリピン人家政婦への一斉検挙の時期を除いては、仲介業者と当局の間でフィリピン人家政婦の違法斡旋による衝突は起こっていない。
趙女史は、こう説明する。「当局に聞かれたら、家庭教師を派遣していると説明すればいいの。」
中国で許可を得ずに就労した外国人は、通常1000~10000元の罰金及び強制退去となる。
その多くがフィリピンで募集された家政婦だが、最近はフィリピン人自らが、グループで中国に入り、中国国内で家政婦などの仕事を探すケースも増えている。
彼女たちにとって、中国はリスクを犯してでも来る価値のある場所だという。30歳のフィリピン人家政婦、ジーナはこう話す。「一番簡単に来れるのが中国、給料も高いし、仕事もきつくない。」中国に来る者は、その他のシンガポールやマレーシア、台湾、香港に行く者たちと違い、研修や手続きなどに多くの費用をつぎ込む必要もないのだ。
北京に来て2年になるジーナは言う。「ここで家政婦をすることが違法だと分かっている。でも、警察の目の前を平気で通れるし、何の問題もないわ。」
しかし、中国に来るフィリピン人家政婦の数が増えるにつれて、彼女たちの「無許可就労」もますます大きな問題になるだろう。雇い主との間で何らかのトラブルが起こった時、彼女たちは法律による保護を受けることもできない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2010年9月12日