青蔵鉄道(青海チベット鉄道)初の延伸工事となる拉薩(ラサ)―日喀則(シガツェ)区間工事が26日、着工した。延伸工事により、東は青海チベット鉄道の終点ラサ駅から、南西の要衝都市で歴代パンチェン・ラマの居住地となっているシガツェ市に至るチベット2大都市をつなぐ全長253キロメートルの「拉日鉄道」が完成する。
拉日鉄道の設計基準は電化予定の国家一級単線鉄道。高架部分は115.7キロメートル、全長の45.7%を占める。初期予算総額は133億元、年間貨物輸送量は830万トン、工期は4年。全長253キロメートルの拉日鉄道は、堆竜徳慶(トゥールン・デチェン)、曲水(チュシュル)、尼木(ニェモ)、仁布(リンブン)、白朗(パナム)県を経由しシガツェに達する。途中、長さ約90キロメートルの雅魯蔵布(ヤルツァンボ)大峡谷を通り抜け、ヤルツァンボ河の2大支流であるラサ河と年楚河の内陸部を走る。ラサ南、曲水、尼木など13駅が新設される。
国家発展改革委員会の張平主任によると、拉日鉄道は国家「十一五(第11次五カ年計画:2006?2010年)」と「中長期鉄道網計画」の重要プロジェクトのひとつで、青海チベット鉄道の延伸鉄道であり、チベットと新疆を結ぶ重要な通路でもあるという。ラサから至聶木(ニャラム)や亜東につながるルートの重要な構成要素となっており、その戦略的地位は重要で、沿線は豊かな資源に恵まれている。
600年余の歴史を誇るシガツェ市は、チベット第2の大都市で、歴代パンチェン・ラマが居住する歴史文化都市。チベット西南部に位置するシガツェ地区は、インド、ネパール、ブータンの三国と国境を接している。世界の最高峰チョモランマ、ゲル派(黄教)六大寺院のひとつタシルンポ寺、「第2の敦煌」と称えられる薩迦寺(サキャ寺)はいずれも、シガツェ地区にある。
「人民網日本語版」2010年9月27日