台湾の蘇花自動車道で発生した地滑り事故はすでに4日が経ち、判明している25人の行方不明者(うち大陸からの観光客18人、添乗員2人が含まれる)の海・陸・空からの大捜索活動が引き続き行われている。25日、蘇花自動車道112.8キロの地点で発生した地滑り現場では、胴体や手足がバラバラになった遺体が発見され、最悪の結果となった。
宜蘭消防局の副局長は、現場で、午前10時20分ごろ、地滑り現場下方約300メートルの所で押しつぶされた腕を見つけた。続いて大腿部を発見。午後2時ごろ、欠損した遺体胴体部を発見。このあとすぐに弘泰旅行社大型バスの大陸からの添乗員田園のリュック、パスポート、その他の観光客のパスポートを発見した。蘇花自動車道112.8キロの地滑り地点はちょうど弘泰旅行社大型バスが転落した場所で、車に乗っていた台湾の運転手と田園の2人は行方不明になっており、現在緊急にDNA鑑定を行っている。
遺体の発見された112.8キロ地点は同日の捜索の焦点となった。現場では、陸路からの救援隊が地滑りの急峻な渓谷に沿って、順番に苦労して下りながら下方の捜索を行っており、多くの隊員が地滑りの土石流が流れ込んでいる海際一帯に集まっている。海上からの救援船も明らかに増加している。空からは、しばしばヘリコプターが旋回して通り過ぎる。
116キロ地点から地滑り現場にやってきた支援部隊の台北市捜索救援隊の袁敬業小隊長は、捜索隊員にも常に落石の危険があり、捜索の進行にも影響があると述べた。
情報では、同日の早朝にも、蘇花自動車道で新たにまた地滑りが発生し、救援隊は2時間も足止めされているとのことだ。
112.8キロ地点の地滑りと比較して、行方不明とされている広東からの観光客18人と添乗員1人が乗った創意旅行社のバスが転落した可能性のある114.5キロ地点の地滑りは、同日の捜索では実質的になんら進展はしていない。この捜索を指揮している台北県特殊捜索救援隊の呉宏益副隊長は、これの前に見つかった行方不明のバスのタイヤやバンパー等の物件とされるものは、すでに排除された可能性があると述べた。長年土石流災害の救援活動経験豊かなプロとして有名なこの副隊長は、行方不明のバスは海中に沈んだ可能性があるとの見方をしている。とりわけこの場の下方のそれほど遠くない海中に、新たに膨大な堆積層が形成され、行方不明車両はその中に埋まってしまった可能性があると指摘する。 (編集YS)
「人民網日本語版」2010年10月26日