台湾の蘇花道路の土石流事故現場では救援作業が引き続き行われている。台湾災害緊急対応センターのデータによると、10月31日は陸上での捜索に421人、海上での捜索には艦艇3隻と船舶9隻の148人が参加。また捜索範囲を基隆海域にまで拡大し、別途艦艇8隻を追加して合計749人が東北部海域の捜査にあたった。
陸上の捜索指揮にあたった宜蘭県消防局の徐松奕副局長は、10月31日には捜査の重点を114.5キロ地点の斜面下の海岸に置いたと述べた。「ここで発見された物品が最も多いためだ。」
徐副局長によると、この現場の土砂の堆積は高さ20メートルに達する。陸上捜査部門は同日、捜査人員120人以上と機械16台、捜索犬3匹を投入して捜索にあたった。
116キロ地点では30日に土砂に亀裂が発見されたことから捜索が一時中止されたが、31日には調査を経て復旧と捜索の作業が再開された。徐副局長は「我々は監視専門の人員を派遣し、落石が見られたら速やかに警報を出すようにしている」と述べた。
徐副局長によると、現段階での捜索業務の最大の困難は気候と地形だ。いったん雨が降れば、道路下の斜面は75度以上の傾斜角となっているため、救援人員の安全が保障できない。また艦艇が岸に近づくことができないため、岸辺で捜索にあたる人員と機械はヘリコプターで運ぶしかないという。
現在は全力で捜索にあたるようにとの指示があるのみで、捜索中止に時期についてはまだ検討されていないという。
蘇澳海巡隊の劉紹松副隊長によると、海巡隊の隊員は同日、水流のスピードや方向に基づき、116キロ地点から基隆海域までを4つの捜索地域に分けて捜索にあたっている。「今日の風力は6級から7級、突風は9級ぐらいだが、捜索にとって有利ではない。」
10月21日に発生した蘇花道路の土石流事故では中国大陸部の観光客1人と台湾住民2人の死亡が確認されている。この他に中国大陸部からの観光客19人を含む23人が依然行方不明だ。
「人民網日本語版」2010年11月1日