他の同年代の人たちに比べ、北京の国有企業に勤める常亮さんは、月収も割りと高く、家を購入する余裕もあると言える。それでも、彼は賃貸を選んだのだった。
彼はなぜ賃貸を選んだか話してくれた。「北京の三環路付近の1LDKの家は200万元だ。今の家賃は月々3000元ほどで、計算すると、60年借りてやっと200万元になる。買う必要なんてどこにあるだろうか?」
今、常亮さんの手元には20万元の貯金がある。仕事の合間に仲間と小さな事業を立ち上げ、毎年彼女と旅行する余裕もある。生活は気楽で自由そのものだ。
「家を買ったら、生活のレベルは一気に下がってしまうだろう。家を買うためにそこまで自分を追い詰める必要があるだろうか」と彼は言う。
常亮さんの考え方を理解できる人は少ないかもしれない。貯金し、土地を購入して家を建て、子孫に少しでも多くの財産を残すために奮闘するのが、中国人の伝統的な考え方である。そして、土地こそが最大の財産であると考えている。
近年の不動産価格の上昇はあまりにも急激で、「今買わなければ、これからもっと買えなくなるだろう」という思いに駆られる人が多い。このようにして多くの人が自分の負担も省みずに無茶をして家を買うのだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年1月5日