身を守るために男装
李さんが働いているレストランは温州の郊外にある。オートバイで市内へチケットを買いに行った時、オートバイを預ける場所がないことに李さんは気がついた。駅でオートバイを送る費用を聞くと約300元だという。それにオートバイは分解しなければならない。
「私の1カ月の給料は1200元。オートバイの送料と旅費を加えると合わせて600元以上だ。それに家へ帰ったあとはオートバイを組み立てるためにまたお金がかかる」と、その時にはお金のことを気にやんだが、それよりも早く息子に会いたかった。
「あまりにも興奮して、よく考えずにオートバイで重慶に向かった」と、李さんはまず地図を買うが、小学校2年しか出ていないため、地図に書かれている字がほとんど読めない。仕方なく途中で人に聞いた。「地図上に路線を書いてもらった。多くの人はとても親切で、自分のことをオートバイで旅行している女性だと思ったようだ」
少しでも早く家に帰るために昼夜関係なく走り続けたが、李さんは悪い人に遭遇するを心配した。「勇気を出して2時間走ったがとても落ち着かない。そして突然、仕事着の青い制服を持ってきたことに気づき、それを着てヘルメットをかぶると、声を出さなければ男性のように見える。人がみれば、私は近くで働いている労働者だと思うだろう」