写真1:香港の粉ミルクブランドFrisoの広告
「赤ちゃんの食べるものがなくなっちゃう!」まだ、若い張ママは、1歳のわが子が「食糧不足」の危機に瀕している事に慌てた。子どもがいつも飲んでいる粉ミルクを店で手に入れることが難しくなり、彼女は毎日、粉ミルクを買うために奔走し、粉ミルク不足に頭を抱える。
香港で一部メーカーの粉ミルクが相次いで品切れになり、「粉ミルク恐慌」はマカオにまで転移した。マカオのドラックストアはどこも、大陸の旅行客の買占めスポットになっている(マカオでは、粉ミルクはドラックストで販売している)。また、「水客(商品買い付けのために、個人旅行の名義で香港やマカオに入り、持ち出した商品でお金を稼ぐ密輸業者)」による、大陸への転売も、粉ミルクメーカーの売り切れ続出に拍車をかける。
棚に並んだばかりの新商品 瞬く間に消える
大陸で起きた「毒粉ミルク事件」の影響で、両親たちは輸入物の粉ミルクを買うようになったが、大陸では値段が割高なため、マカオに旅行に行く際に大量に輸入粉ミルクを買って帰る人が少なくない。
マカオの新口岸にあるドラックストアの責任者は「マカオの粉ミルクの価格は上昇傾向にあるが、需要に追いついていない状況が続いている。午前中に入ったばかりの粉ミルクが、午後には売り切れており、その速さは目を見張るものがある」と述べた。
業界関係者は、マカオの粉ミルク不足は大陸の旅行客の買占め競争に加え、現地の親による「パニック買い」にも原因があるようだと見ている。