語彙の乏しさを反省すべき
平井和之氏は言語を専門とする教授として、中国のサイトで「爆笑」「写真集」「汗」など日本語が乱雑に使われるのを見て、複雑な気持ちになるという。平井氏は「このようにむやみに日本語を輸入している業況は、中国の伝統文化を汚すことになる」と述べた。
日本語の流入について、多くの中国の専門家が、日中文化の格差、特に中国の文化想像力の遅れを懸念している。
これに対し、日本問題研究家で作家の王錦思氏は、次のような見解を示した。「ここ数年、新語を創造するペースと経済発展のペースが同調していない。これは、中国文化の発展におけるある種の問題を体現している。中国は自国文化の競争力を高めるよう注力しなければならない。唐の時代、中国の言葉は大量に日本に採り入れられ、現在もその形跡が残っている。日本語の流入を批判する前に、中国は自国の文化的創造力がどのようにして低迷したかを反省すべきだ。」
親しみやすさをもつ「給力」と比べ、中国が創造した新語の多くはそれほど魅力的ではない。「小三」(第三者)、「打醤油」(自分とは関係がない)、「俯臥撑」(自分とは関係がない)、「神馬」(発音が什麼(シェンマ)=「何」と同じ)のように自嘲的で、意味のないネット用語ばかりだ。造語として趣があるものは、「小姐」(お姉さん)、「偶像」(アイドル)、「同志」(~さん)など元々「まじめ」な単語を歪曲したり、価値を低めたりしたものだ。
「語彙の変化は、我々の理想主義が弱まっていることを表している。ジョークやでたらめなどを除いて、感化力に欠ける新語はシニシズムの状態にあり、日本語が流入する空間を広げている。」王錦思氏はこのように述べた。
文化の創造力については長年にわたって議論が行われてきた。王錦思氏は、「自信と創造こそが解決の道である。まずは、文化創造者に才能を発揮できる空間を与えること、次に、文化構築の分野により多くの資金を投じること、そして、ハイエンド産業を活用することが重要だ。」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2011年3月31日